2021年6月5日土曜日

クリエイティブ・スイッチ 企画力を解き放つ天才の習慣 アレン・ガネット

ずばり、成功するためのコツ


結論から書きましょう。
この本には、世界中のヒットメーカーが知る「パターン」が書かれています。
どうしたら、自作をヒットさせられるのか、コツがあるのです。
それは、
〇 大量消費
〇 模倣
〇 コミュニティを作る
〇 フィードバックをもらう
ということ。
最重要なのが、
「誰のために作っているのか、常に考える」
ということ。
天才の作るものだからヒットするのではなく、天才と呼ばれる人は、つねに
「人のニーズにこたえようとしている」
ので、作品がヒットするのです。

その詳しい内容は、本書をじっくり読んでお確かめください。
千葉敏生さんの翻訳は、軽妙で、とっても読みやすいです。
え? 詳しく書いてくれないの? 不親切だな! と思うなかれ。
書いちゃうと、著作権侵害になっちゃいますもん。


孤高の天才は存在するのか?


以前、ネット上で、
「ひきこもり生活を送っている者ですが、だれとも接触せずに仕事をしたいと思います。比較的、個人でできる仕事と言ったら小説家でしょうか。がんばって小説家になってみたいです」
という記述を読んだことがあります。
小説家になることはできるでしょう。
ただし、その作品が面白かったとしても、このひとが引きこもっている限りは、ヒットはないでしょう。

ヒットする作品を生み出す作家たちは、互いにフィードバックをもらえるいい仲間を持っています。
かれらの意見によく耳を傾けることで、自分が本格的に創作を始めてしまう前に、それがヒットするかどうか、見極められるようになっているのです。
まったく世間から孤絶して、筆一本で食べていける人は存在しない。
そのことが、本書でよーくわかります。

ヒットしなくてもいいから、小説を書きたい、というのなら、それはそれでいいことではないでしょうか。
ただし、それは誰にも読まれずに埋もれていくのです。
悲しいと思い奮起するか、あるいは、それでよしと達観するか。

ともかく、「孤高の天才」はいたとしても、おそらく世間的には認知されないのです。


「ひらめき」の嘘


ちなみに、モーツァルトが推敲せずに、一気に作品を楽譜に書きつけていた、というのは後世の出版社がでっちあげた嘘です。
モーツァルトは一般のわれわれのように、ひとつの作品をつくるため、悩みに悩んで、そのすえにあの美しい旋律を生み出していました。
作曲するため、ほかの音楽家と共同作業もしていたそうです。
「アマデウス」で有名なサリエリとも、友好関係でした。
息子をサリエリに預けて音楽教育をしてもらっていたとか。

じゃあ、「ひらめき」ってなんなの?
というところですが、そこが、本書で言うところの「大量消費」=膨大な蓄積。
音楽家なら大量の音楽を聴いてきたこと。
作家なら、膨大な数の書籍を読んできたこと。
そのために、大量のアイデアが浮かぶのです。

要するに、ある日とつぜん、ほとんど本を読んだことのない人が、「書きたいな」と思って筆を執っても、それまでの蓄積がないかぎりは、天才的な作品を生み出せない、ということです。
古関裕而氏の生家は裕福な商家で、当時としてはめずらしい蓄音機で、かれは、幼いころから多くの音楽を聴いてきました。
村上春樹氏は、学校の図書室の本をほとんど読みつくしていたそう(J・K・ローリング氏も似たような話アリ)。
これらは偶然ではなく、だからこそ、かれらは作品を生み出せるのです。

でもって、成功するためには、いいパートナーの存在は欠かせません。
いいフィードバックをもらえるからで、村上春樹氏の場合は、奥さんでしょうね。
いつも作品を発表する前に意見をもらっていると、エッセイで書いていましたから。

要するに、コツコツがんばれ!


このクリエイティブ・スイッチは、
「自分は天才じゃないから」
とあきらめがちな人に、喝を入れてくれる本です。
コツを知らなかったから、成功しないのだ、ということがはっきりわかる。
そして、そのコツを応用するには、いい仲間を作る=人間力を磨く、ということも大切なのでしょう。

それから、大量消費というのが大前提なので、コツコツがんばるのがいちばん。
自分がこれから作るものが、世間のニーズのどのあたりに位置するか、ということがわからないと、成功もおぼつきません。
大量消費することで、自分の立ち位置もわかってきます。
才能さえあればなんとかなる、と世間からずれた突飛なものばかり作っていても、ダメ。

非常に耳の痛い話が多く、自分の場合は、人間力を磨き、引っ込み思案をなんとかしないといけないなと思いました。
全創作者、必読の本です。

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